“小学生への音楽教育”の一環として、小学生にオーケストラ音楽を鑑賞する楽しさを知ってもらうためのワーク・ショップやコンサートを開催します。 このプログラムは子供の情操教育の充実をめざし、感性を豊かに育む活動として実施し、地域文化の向上と交響楽の振興と普及に努めます。
このプログラムのワークショップは、一般の授業の中に音楽教育を取り入れ、1年を通して実施いたします。


*本プログラムの開催要望やお問合わせ等は、"公益財団法人 日本交響楽振興財団までお願いいたします。お問合せはこちら>>
  2012年度(平成24年度)
  主催:公益財団法人 日本交響楽振興財団・公益財団法人砺波市文化振興会 砺波市文化会館
共催:財団法人石川県音楽文化振興事業団
後援:砺波市教育委員会・北日本新聞社
  I.事業内容
◇ワークショップ  ◇ミニ・コンサート  ◇ホール・コンサート
2012年度ワークショップは、富山県砺波市の砺波市立砺波南部小学校と砺波市立砺波東部小学校で実施しました。
講師・出演者は学校の先生とオーケストラ・アンサンブル金沢の楽団員や指揮者等が担当しました。 

◇ワークショップ
【砺波市立砺波南部小学校】 【砺波市立砺波東部小学校】
開催日 平成24年6月4日(月)
学校名 午前:砺波南部小学校 体育館 (対象:4・5・6年生)1回
午後:砺波東部小学校 音楽室 (対象:6年生)2回
出演者 第1ヴァイオリン:坂本久仁雄、第2ヴァイオリン大隈容子、ヴィオラ:丸山萌音揮、チェロ:早川寛、進行:床坊剛
テーマ:クラシックの作曲家〜作曲をしてみよう
 午前の部では、南部小学校の4・5・6年生140名が体育館に集合、午後は、講師たちが南部小学校に移動し、6年生120名が5、6時限目に分かれて音楽室で、今回のワークショップに参加しました。
 最初に、「皆さんの知っている曲を演奏します」 と言って演奏されたのは、弦楽四重奏による校歌でした。児童たちは「え?あれ?もしかして校歌?」という驚いた表情をしていましたが、校歌を聴いたあとは少し親近感を持ってくれた様子でした。
 続けて、モーツァルト作曲「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、ハイドン作曲「皇帝」(第2楽章より)、ラヴェル作曲「ハイドンの名によるメヌエット」の演奏を鑑賞。これらの作曲家についての人物像や作風の紹介が奏者の皆さんからあり、それぞれ作曲者を当てるクイズとなりました。クイズを楽しみながらハイドン作曲の「皇帝」が、ドイツの国歌となっていることや、モーツァルトの華やかなイメージやラヴェルのやさしい曲の雰囲気を学びました。
 さらに、ラヴェルの曲「ハイドンの名によるメヌエットより」に「ハ・イ・ド・ン」の名前が隠されているという説明がありました。児童たちに配布された「作曲暗号表」を使えば、自分の名前がド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドで表現出来るということがわかり、今回のテーマでもある「作曲をしてみよう!」のコーナーに移りました。
 ドレミファを日本語の「いろはにほへと」版にした「作曲暗号表」をもとに、児童たちも自分の名前を置き換えてみました。みんな元気に自分の名前を声に出していました。ここで児童の中から3人の名前をヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの順で演奏してみることにしました。女の子の名前なのに、チェロで演奏すると低い音がして、何だかオジさんみたいな名前に聞こえて、拍手や笑いがおこりました。和やかな雰囲気のなか、最後に弦楽四重奏に合わせて、全員が校歌を歌って終了しました。
 児童からは「自分の名前がドレミで表現できて演奏できるとは思わなかった」などの感想がありました。より音楽に親しみを持つきっかけとなったようです。
開催日 平成24年6月25日(月)
学校名 午前:砺波南部小学校 体育館 (対象:1・2・3年生)1回
午後:砺波東部小学校 音楽室 (対象:5年生)2回
出演者 第1ヴァイオリン:坂本久仁雄、第2ヴァイオリン:ヴォーン・ヒューズ
ヴィオラ:丸山萌音揮、チェロ:早川寛、進行:床坊剛
テーマ:クラシックの作曲家を知ろう
 午前の部では、南部小学校1・2・3年生134名が体育館に集まり、今回のワークショップに参加しました。 最初に校歌が演奏されると、子どもたちは友だちと顔を見合わせて、ニコニコした表情になりました。「今の曲は何ですか?」の問いに、みんなで「校歌」と元気に答えていました。
  次に、「知っている作曲家はいますか?」と質問すると、ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト、ビゼー、バッハ、ヘンデルなどの名前があがりました。ここで、弦楽四重奏のメンバーによるモーツァルト作曲「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(第1楽章)が演奏されました。そして、肖像画を見ながら、モーツァルト、ハイドン、ラヴェルについての紹介がありました。モーツァルトの紹介では、第2ヴァイオリンのヴォーンさんが日本語で「モーツァルトさんはオーストリアの生まれで、小さい時から音楽の天才として知られ、ヨーロッパ各地を回って数多くの名曲を作りました。また、ハイドンのことをとても尊敬していました」と説明してくれました。続いてハイドン、モーツァルト、ラヴェルの曲が演奏があり、作曲家を当てるクイズとなりました。クイズを楽しみながら、ハイドンの曲がドイツの国歌となっていることや、モーツァルトの華やかなイメージやラヴェルのやさしい曲の雰囲気を学びました。
  3曲を聴いた子どもたちからは「心がさわやかになった」、「音がきれいだった」、「曲が走っているようで速かった」、「大きな音と小さな音の差がものすごくあった」といった感想が聞かれました。次にバッハ作曲「G線上のアリア」の美しい弦楽器のメロディや、ベートーヴェン作曲「運命」の有名な旋律を聴きました。続いて、日本の作曲家の中から、山田耕筰作曲「赤とんぼ」や、久石譲作曲「君をのせて」の演奏があり、子どもたちは聴きなれた曲に自然と小さく口ずさみながら演奏を楽しみました。 最後に、弦楽四重奏の演奏に合わせて、全員が校歌を歌って終了しました。

* * *

 午後は、東部小学校5年生を対象としたワークショップが行われました。弦楽四重奏による「校歌」の演奏で始まり、講師による作曲家についてのお話があり、それをもとに作曲家の曲を当てるクイズがありました。次に「作曲暗号表」をもとに、自分の名前を作曲する作曲体験のコーナーに移りました。ハイドンの名前が、ラヴェルの曲の中に入っているというお話があり、子どもたちも自分の名前を使って作曲しました。子どもたちの名前の後ろに「こんにちは」という暗号を加えて演奏すると、さらにすてきな曲になりました。
 最後は、弦楽四重奏に合わせて校歌を斉唱して、ワークショップを締めくくりました。
 
開催日 平成24年7月4日(水)
学校名 午前:砺波南部小学校 音楽室 (対象:4年生)1回
午後:砺波東部小学校 音楽室 (対象:4年生)2回
出演者 オーボエ:加納律子、水谷元、ファゴット:蜑Y慎史、渡邉聖子
テーマ:楽器を作ろう 〜楽器の仕組み
 午前は南部小学校で、4年生49名が、午後の東部小学校では4年生が5、6限目に分かれてワークショップに参加しました。まず、みんながよく知っている「となりのトトロ」の“さんぽ”で始まりました。続いてチャイコフスキー作曲のバレエ音楽「白鳥の湖」から“4羽の白鳥の踊り”が演奏されました。
 楽器紹介では、オーボエとファゴットをそれぞれ分解し、再び組み立てながら楽器の仕組みについての説明がありました。中東の葦笛がヨーロッパに伝わってオーボエに変わり、英国ではバグパイプに、中国ではチャルメラに、それぞれの国で変化していったという話がありました。音を出す仕組みについては、葦を薄片に削ったリードというものを2枚合わせて振動させ、それを音を出していることを学びました。 
  続いて、子どもたちも音を出す体験です。ストローの両端をハサミで切って実際にリードに見立てた「ストロー笛」を作り、音を出してみました。切り方や吹き方によって、音が出たり出なかったりすることを体験しました。また、作ったばかりの「ストロー笛」を使ってリズムをとり、出演者と一緒に「白鳥の湖」を演奏しました。
 最後には、オーボエとファゴットの演奏で、マルコム作曲「モンマ」を聴いて終わりました。
  ワークショップの後、子どもたちからは、(出演者の演奏は)「テンポが速かった」「ファゴットが低い音だった」「指がよく動いていた」「口がモゴモゴしていた」、(ストローを使った共演は)「音が鳴ってうれしかった」「プロと一緒に合奏できてうれしかった」「ストロー笛は高い音が出た。穴を開けて、その穴をふさいだりあけたりすると、音が変わった」など、素直な感想が寄せられました。
開催日 平成24年9月27日(水)
学校名 午前:砺波南部小学校 音楽室 (対象:3年生)1回
午後:砺波東部小学校 音楽室 (対象:3年生)2回
出演者 ヴァイオリン:坂本久仁雄、コントラバス:今野淳、進行:床坊剛
テーマ:オーケストラで働く人たち〜楽器のひみつ
 今回のワークショップは、3年生を対象に、午前中は南部小学校、午後は東部小学校で行われました。
 ヴァイオリンとコントラバスによるグリエール作曲「ガヴォット」の演奏後、講師から「オーケストラ・アンサンブル金沢は、たくさんの人が集まって演奏することを仕事にしている楽団です」という説明がありました。続いて、今回の講師2人が小さい頃どんな風に過ごして、楽器を演奏するようになったかお話がありました。両名とも、小さい頃は野球が大好きな少年だったそうです。その一方で、ピアノやヴァイオリンを習ったり、中学高校では吹奏楽部に入り、他の楽器に触れてさらに音楽に興味がわき、音楽大学に進み、演奏家になったというお話を聞きました。

 お話のあと、身長計や体重計で、コントラバスとヴァイオリンの「大きさ」「形」「素材」を調べました。
 まずはコントラバスです。「コントラバスの重さは?」という質問に、重いものという印象を持っているせいか、「70kg!」「30kg!」などと声があがりました。実際に体重計で量ってみると、「12kg」でした。長さを測ると「188cm」。その大きさと軽さに驚いていました。
 ヴァイオリンでは、「重さは?」という質問に、「3kg!」「5kg!」と声があがりましたが、量ってみると「460g」でした。お茶の入ったペットボトルより軽いことが分かり、児童たちはビックリしていました。
 大きさや重さがわかったあと、楽器の構造についてお話がありました。弓は馬のシッポの毛で作られていること、中に入っている木の棒は、魂柱(こんちゅう)という名前で、これで振動を裏板へ伝えて、音を響かせているという説明を興味深そうに聞いていました。
  このあと、各組とも2人ずつ代表となってヴァイオリンとコントラバスに触れ、実際に音を出してもらうと、他の児童からは拍手が沸き起こりました。
 最後にグリエール作曲「子守歌」を聴いて終了しました。  
開催日 平成24年10月19日(金)
学校名 午前:砺波東部小学校 音楽室 (対象:1年生)2回
午後:砺波南部小学校 音楽室 (対象:1年生)1回
出演者 打楽器:渡邉昭夫、竹宮純子、進行:床坊剛
テーマ:リズムで遊ぼう
 1年生を対象に、打楽器のワークショップが行われました。 最初に、子どもたちもよく知っている「崖の上のポニョ」の演奏が始まると、1年生みんなの大合唱となりました。緊張もほぐれたころ、マリンバの紹介が始まりました。この楽器は、アフリカから伝わったもので、鍵盤の下に金属管(パイプ)が設けられており、このパイプによりよく音が響くようになるという説明がありました。逆にパイプを紙で塞ぐと、つまった音になります。
 鍵盤をたたくマレット(先に棒のついた木の棒)の種類によっても音色が変わるという説明に、子どもたちも「なんか違う」「音が変わった」と口々に言い合い、時には耳をふさいだりしていました。 ビブラフォンやドラムなどの楽器も紹介されました。ドラムロールでは、拍手喝采でした。
 続いて、学校にあるタンバリンやカスタネット、トライアングル、鈴などを子どもたち一人ひとりが持ち、演奏の仕方を教えてもらいました。タンバリンのドラムロールでは、子どもたちもビックリ。まねようとしていましたが、うまくできませんでした。

 このあと、リンゴとミカンを使い、手拍子でリズムを取ってみました。最初はなかなか合いませんでしたが、最後はきれいに揃うようになり、とても盛り上がりました。このリズム遊びに、マリンバでベートーヴェンの交響曲のメロディを加えると、音楽が膨らむ感じを子どもたちはつかんでいました。「もう終わり?」「まだやって!」と残念そうな声があがりましたが、最後の演奏「となりのトトロ〜さんぽ〜」が始まると、にこやかに大合唱で終了となりました。
  

開催日 平成24年11月2日(金)
学校名 午前:砺波南部小学校 音楽室 (対象:2年生)1回
午後:砺波東部小学校 音楽室 (対象:2年生)2回
出演者 ヴァイオリン:原田智子、江原千絵 進行;床坊剛
テーマ:楽器でまわりのものを表現してみよう
 今回のワークショップは、ヴァイオリン奏者2名が講師として登場しました。子どもたちの前に、ヴァイオリンの楽器ケースが置かれています。布のケースとハードケースです。布のケースは飛行機に乗るときに座席に置くため別にお金が必要で、ハードケースはそのまま荷物棚に載せることが出来ると教えてもらい、子どもたちは「エーッ」と驚いていました。オーケストラ奏者たちがいかに楽器を大切に持ち歩いているかを実感したようです。
 講師がケースから弓を取り出し、「この白い部分は何で出来ているかわかりますか?」と質問すると子どもたちは「糸」「ひも」「布!」など元気に答えてくれました。正解は「馬のしっぽ」でした。意外な答えに、ビックリした様子でした。ヴァイオリンの弦は4本あり、「この弦は何で出来ていると思いますか?」との質問に、「つり糸」「針金」「ゴム」などの回答。正解は「羊の腸」と聞いて、「エーッ」とまた驚いていました。

 講師の原田さんと江原さんがルクレール作曲「2つのヴァイオリンのためのソナタ」を演奏しました。2人で演奏することを「2重奏」といい、2重奏では「合わせる」ことが必要だというお話がありました。演奏のあと、どんなふうだったか聞くと、「音が合っていた」「タイミングが合っていた」「息が合っていた」。江原さんからは、「となりの音をよく聞くことが一番大事」と教えてもらいました。
 次に、「カボチャ」という歌を、グループごとに手拍子を交えて練習、そのあと講師のアドバイスを受けながら全員で合わせてみました。続いてヴァイオリンの演奏に合わせてみると、子どもたちの歌と手拍子の強弱も合い、素敵な演奏になりました。
  子どもたちからは「横の人の声を聞いて歌えた」「手拍子がうまくなった」といったうれしい感想がありました。午後の東部小学校では、子どもたちが「カッコウ」の演奏にピアニカで参加しました。
 最後に、講師によるハイドン作曲「鳥」の演奏がありました。ふだんよく耳にする鳥の声を、楽器ではどのように表現するのか、ヴァイオリンによる「鳥のさえずり」はどのように響くのかをみんなで鑑賞しました。

開催日 平成24年12月5日(水)
学校名 午前:砺波南部小学校 音楽室 (対象:5年生)1回
午後:砺波東部小学校 音楽室 (対象:5年生)2回
出演者 トランペット:藤井幹人・ピアノ:藤井ひろみ・進行;床坊剛
テーマ:音楽で世界の国々を知ろう−トランペット
 今回は、5年生を対象としたトランペットとピアノによるワークショップです。午前は南部小学校で行いました。
 まずは、楽器の紹介です。トランペットの歴史は古く、エジプトにあるピラミッドの壁画にも描かれているそうです。ということは、約5千年前から演奏されていたことになります。トランペットには、一般的な「C管」、それよりも小さい「ピッコロトランペット」、管が多く巻いてあってコンパクトな「コルネット」、大きく太い「フリューゲルホルン」などの種類があることが紹介されました。管が太くなると、低く太い音が出て、多く巻いてあると、音が柔らかくなると教えてもらいました。子どもたちは、音が出るたびに大喜びでした。「ミッキーマウスマーチ」や「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」の演奏は、トランペットから出る音とそのイメージ、音の効果などがわかりやすく、一層印象深いものとなりました。
 次のコーナーでは、子どもたちが知っている国名を聞き、大きな世界地図でどこにその国があるかを確認しました。名前のあがった国のなかから「イタリア」「ロシア」「アメリカ」「日本」「韓国」「ブラジル」の6カ国を選び、演奏した曲がどの国の音楽かを当てるクイズです。@聖者の行進 A浜辺の歌 Bオ・ソレ・ミオ Cアリラン Dティコティコの5曲が演奏されたあと、答え合わせをしました。全問正解者は少なく、ちょっと難しかったようです。続いて、ロシアの「カチューシャ」とアルゼンチンの「リベルタンゴ」を演奏し、子どもたちの感想を聞きました。「カチューシャ」は「勢いがあった」「だんだん早くなった」、「リベルタンゴ」は「踊っている感じがした」「かっこいい」など、素直な感想がありました。
 最後に「大切なもの」を、トランペットの演奏で一緒に歌い、ワークショップは終了しました。
 午後の砺波東部小学校でも、5年生を対象に同様のワークショップを開催しました。2人の児童がそれぞれのクラスを代表して実際にトランペットを吹いてみました。すぐに音を出すことは難しいようでしたが、講師のアドバイスもあり、2人とも少しだけ音を出すことができました。最後は「それは地球」を、トランペットと一緒に歌って終了しました。

開催日 平成24年12月6日(木)
学校名 午前:砺波南部小学校 音楽室 (対象:6年生)1回
午後:砺波東部小学校 音楽室 (対象:6年生)2回
出演者 ヴァイオリン:原田智子、ヴォーン・ヒューズ、  ヴィオラ:古宮山由里、チェロ:早川寛、 進行;床坊剛
テーマ:クラシック音楽と日本の歴史を比べてみよう−弦楽四重奏
今年度最後は、6年生を対象に、弦楽四重奏によるワークショップを行いました。はじめに、モーツァルト作曲の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」第1楽章を演奏しました。続いて、各パートだけを演奏しました。第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、それぞれの楽器の音をじっくりと聴いたあと、クイズです。『4人の中で1人だけ演奏していない人をあてましょう』と子どもたちに問いかけ、カーテンの奥で「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の演奏が始まりました。最初はチェロ、2回目は第1ヴァイオリン、3回目はヴィオラのパートが抜けていました。子どもたちはよく聴いていて、ほとんどが正解でした。
  次に、今回演奏した曲の作曲者が活動していた時代は、日本のどの時代に当たるのかを勉強しました。ヴィオラの古宮山さんから、「モーツァルト(1756-91)が生きていた頃の日本は、何時代でどんなことが行われていたか、年表で調べてみましょう。日本は江戸時代で、武士中心の世の中でした。一方、ヨーロッパでは貴族中心の社会で、貴族の邸宅では、華やかな音楽が演奏されていました」と説明がありました。ほかにも、J・S・バッハ(1685-1750)作曲の「主よ、人の望みの喜びを」、エルガー(1857-1934)作曲の「愛の挨拶」を聴き、それぞれの時代について調べました。最後に、ワークショップに参加した子どもたちが生まれた2001年頃の曲、新井満作曲の「千の風になって」を、弦楽四重奏に合わせてみんなで合唱し、終了しました。
◇ホールコンサート
開催日 平成24年9月14日(金)
出演者 管弦楽 オーケストラ・アンサンブル金沢
指揮 鈴木織衛、尺八 片山瞠山
【世界の音楽の祭典】
 市内の小学6年生を対象に、砺波市文化会館でホールコンサートを開催しました。各国の曲が演奏され、なかでも子どもたちが特に興味を持ったのは、オーケストラと尺八による演奏だったようです。日本の楽器である尺八がオーケストラと共に演奏する、その独特な響きに聴き入っていました。 楽器紹介コーナーでは、弦楽器、管楽器についての説明がありました。続いて「君もマエストロ!」のコーナーでは、男女1名ずつが指揮者の鈴木織衛さんから、拍子のとり方や、指揮棒の振り方の指導を受け、オーケストラの指揮に挑戦しました。そのあと「ビリーブ」の演奏に合わせて合唱しました。アンコールのラデッキー行進曲では、指揮者の鈴木さんが客席に向かって、手拍子の強弱を指導すると、子どもたちも上手に合わせていました。
♪演奏曲目♪
古関裕而:スポーツショウ行進曲
サン・サーンス:白鳥
カーマイケル:スターダスト
滝廉太郎:荒城の月(*)
モンティ:チャールダーシュ(*)
ヨハン・シュトラウスU:狩りのポルカ
チャイコフスキー:弦楽のためのセレナードよりワルツ
ベートーベン:トルコ行進曲
朝鮮民謡:アリラン
アイルランド民謡:ロンドンデリーの歌
ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」
杉本竜一:ビリーヴ
ヨハン・シュトラウスT:ラデッキー行進曲


    

◇ミニコンサート
 
開催日 平成24年5月14日(月)
学校名 午前:砺波南部小学校
午後:砺波東部小学校
出演者 第1ヴァイオリン:(コンサート・マスター)アビゲイル・ヤング、原田智子、大隈容子
第2ヴァイオリン:江原千絵、ヴォーン・ヒューズ
ヴィオラ:石黒靖典、吉内紫
チェロ:大澤明
コントラバス:今野淳
トランペット:藤井幹人
【オーケストラ・アンサンブル金沢の弦楽奏者とトランペット奏者】
 この日は、通年で実施される本事業の初日でした。午前は砺波市立南部小学校、午後には砺波市立東部小学校を訪れ、全校児童が集まる体育館でミニコンサートを開催しました。
 クラーク作曲の「トランペット・ヴォランタリー」でスタート。進行役のチェロ奏者でもある大澤明さんが、国旗を持ちながら、作曲者の紹介や曲目をわかりやすく紹介して、低学年の児童も楽しそうに演奏を聴いていました。続いてトランペットの紹介では、楽器からはずしたマウスピースだけで出る音を、不思議そうな表情で聴いていました。
  指で弦をはじくピチカート奏法で演奏されるアンダーソン作曲の「プリンク・プレンク・プランク」では、奏者がチェロとコントラバスを回転させる光景に、音色だけでなく目でも楽しんでいる様子でした。「ビリーヴ」の演奏では、児童たち全員が起立して、合唱しました。
 最後の曲、シャルパンティエ作曲の「テ・デウム」は、楽器解説でも登場したトランペットが再び活躍する楽曲でした。拍手に応えてのアンコール「ラデツキー行進曲」では、全員が演奏に合わせて手拍子をして賑やかにコンサートが終了しました。

♪演奏曲目♪
クラーク :トランペット・ヴォランタリー
グリーク :ホルベルク組曲より 第1楽章
パッヘルベル :カノン、ヴィヴァルディ :四季より 春
モーツァルト :アイネ・クライネ・ナハトムジークより第1楽章
アンダーソン :トランペット吹きの子守歌
アンダーソン :プリンク・プレンク・プランク
杉本竜一 :ビリーヴ
シャルパンティエ :テ・デウムより前奏曲
   
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